「PMDAからの医薬品適正使用のお願い No.11」が7年ぶりに更新されました

https://www.pmda.go.jp/files/000268322.pdf

https://www.pmda.go.jp/files/000268322.pdf#page=2

主な変更点

種別内容
追加ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性については、電子添文にて注意喚起がされており、2017年3月に「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」No.11を発出し、周知してきたところですが、引き続きベンゾジアゼピン受容体作動薬での依存性が疑われる症例が報告されております。
変更旧:ベンゾジアゼピン受容体作動薬には、承認用量の範囲内でも長期間服用するうちに身体依存が形成されることで、減量や中止時に様々な離脱症状があらわれる特徴があります。

新:ベンゾジアゼピン受容体作動薬には、承認用量の範囲内でも漫然とした長期間服用により身体依存が生じることがあります。なお、その際には、減量や中止時に様々な離脱症状があらわれることがあります。
追加・個々の患者さんに合わせ、隔日投与等にて徐々に減薬・中止してください
追加
変更旧:ルネスタ
新:ルネスタ 他

旧:セレナール 他
新:セレナール

旧:サイレース、ロヒプノール 他
新:サイレース 他

旧:リスミー 他
新:リスミー
削除ニメタゼパム|エリミン
フルトプラゼパム|レスタス
サイト運営者による注釈:販売中止による削除と思われる。
追加※催眠鎮静薬(「不眠症」又は「睡眠障害」のいずれかを適応症に含む医薬品)、抗不安薬及び抗てんかん薬のうち、「依存性」、「薬物依存」又は「離脱症状」の副作用が記載されている医薬品
変更旧:*「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」は、薬機法に基づき報告された副作用感染症症例等の中から、既に添付文書等で注意喚起しているものの、同様の報告の減少が見られない事例などについて、医薬品の適正使用推進の観点から医療関係者により分かりやすい形で情報提供を行うものです。

新:*「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」は、薬機法に基づき報告された副作用感染症症例等の中から、既に電子添文等で注意喚起しているものの、同様の報告の減少が見られない事例などについて、医薬品の適正使用推進の観点から医療関係者により分かりやすい形で情報提供を行うものです。

感想

 初版が公開された2017年から7年立ちました。ベンゾジアゼピン薬害問題について、行政から忘れ去られている感がありましたが、そうではありませんでした。今なお、GABA-A受容体作動薬である、ベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の薬害は続いているようです。

「個々の患者さんに合わせ、隔日投与等にて徐々に減薬・中止してください」にある、隔日(2日に1回など)投与ですが、ベンゾジアゼピン系の減薬量としては、変化が大きすぎて離脱症状(不眠、不安、焦燥感、頭痛、嘔気・嘔吐、せん妄、振戦、痙攣発作など)が強く出る場合がありますので注意してください。薬を使用する頻度はそのままで、別容量や細粒を用いて1回あたりの処方量を減薬することを検討してください。半減期が短いものから長いものへ置き換えるこも、離脱症状を緩和させる手段です。

 私の伯母ですが、ベンゾジアゼピン系を耳鼻科で処方されてから一気に痴ほう症が現れました。2017年に公開された当該文書を医師に見せて減薬を交渉したところ、「処方できる薬がなくなる」という反応でした。精神科以外でもベンゾジアゼピン系は気軽に処方されてきた歴史があります。

 ご家族、ご友人の自衛に役立つように、今回の資料をシェアしてください。医療従事者向けの文章ですが、きっと役立つはずです。

PMDAからの医薬品適正使用のお願い No.11 2024年5月版



旧バージョン(2017年3月版)のPDFはアーカイブとして下記のURLにあります。
https://web.archive.org/web/https://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf

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