豆乳パックのリサイクル(アルミ・紙)が消えた

Microsoft Bingによるアートワーク

テトラパックリサイクル便が終了

 豆乳パックには品質を保つためにアルミ箔が使われています。以前は豆乳パックにリサイクルの案内が書いてありました。それが、最近は見かけなくなりました。調べると、「テトラパックリサイクル便」で2022年末に終了していました。

 輸送費は回収元が負担していたので、絶対に割が合わない事業だと思っていました。回収できるアルミ、紙資源は1Lパック1個あたり5円だと仮定して、一回収で24パックとすると、120円。回収箱と輸送費で650円はかかるとすると、530円の赤字です。

 コロナ禍になり、人が口にした容器を回収すると感染リスクがあったことも、この事業を終わらせた要因でしょう。

 生協や一部の自治体で豆乳パックの回収は続いているそうです。運送会社に送料を払わない形でなら存在できるのでしょう。

リサイクルには採算性が必要

 一度配ったものを、後から回収するのは収支の折り合いがよくありません。消費者が無料で洗って運んでくれた場合のみギリギリ収支が折り合うのが現状です。消費者の労働を時給1200円で計算したら、24パック洗って運ぶのに24分かかった場合、480円の賃金が発生します。その事実に直面したら、リサイクルせずに燃えるゴミに直行するのが最も省エネルギーです。

私が考えた解決案

 解決案として、リサイクルは諦めて、容量を同じまま容器の表面積を小さくしてはいかがでしょうか?今は直方体(縦長の箱)ですが、立方体にすれば1L容器の表面積を最大8.6%小さくできます。立方体にする問題点は今のままでは冷蔵庫への収まりが悪くなること、持ちにくくなることがあります。

 現在は賞味期限が180日ですが、アルミ箔をもっと薄くして賞味期限を90日にするという案もあります。賞味期限が短くなると廃棄リスクが上がるので、直ぐに消費される用途向けに適するでしょう。

脱ボランティア

 リサイクルは最終消費者のボランティアの上に成り立っています。ボランティアではなく、1分20円の時給が発生する仕事ならば、多くのリサイクルの収支が合わなくなります。収支の合わないリサイクルは推奨すべきではありません。

ボランティアの例

  • 牛乳パックなら、洗う、乾かす、切り開く、束ねる、運ぶ。
  • アルミ缶なら、洗う、水を切る、潰す、貯める、運ぶ。
  • 新聞紙なら、重ねる、束ねる、運ぶ。
  • ダンボールなら、開く、束ねる、運ぶ。
  • ペッドボトルなら、洗う、水を切る、蓋と分ける、貯める、運ぶ。
  • 発泡スチロールトレイなら、洗剤で洗う、水を切る、白とそれ以外を分ける、貯める、運ぶ。

 ペットボトルの蓋だけを集めるリサイクル事業も、今では表舞台から姿を消しました。集めた蓋よりも回収ボックスに使われた資源のほうが高いという指摘もありました。収支が合わないリサイクルは時間の無駄で、遅かれ早かれ人はそれに気づき、ボランティアを止めるのです。

 企業には、最終消費者にボランティアを求めない製品づくりをお願いします。消費者は自分にとって割が合わないリサイクル活動はやめましょう。

参考資料

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