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「睡眠薬の正しい使い方」ビデオ by 慈恵医大

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https://jikei-psy.com/zzz/ 「睡眠薬の正しい使い方」ビデオのご紹介  東京慈恵会医科大学の精神医学講座に以下のビデオがありましたので、ご紹介いたします。 慈恵医大 睡眠ビデオ 「睡眠薬の正しい使い方」ビデオ〜「睡眠薬減量のためのビデオの作成と動機付け効果」に関する研究 〜 | 東京慈恵会医科大学 精神医学講座 【睡眠薬の正しい使い方】慈恵医大 睡眠ビデオ① 0:00 プロローグ 1:07 睡眠薬は魔法の薬ではない 2:30 悪い事例(1)昔飲み始めた睡眠薬を止めそびれている場合 3:45 悪い事例(2)ご自身で不眠症を作っている場合 6:38 睡眠薬に頼らないコツについて 8:01 薬を減らすときの注意点 9:05 最後に 動画の感想  医療機関が睡眠薬の正しい使い方を患者向けに分かりやすく動画で説明していることに感心しました。 「睡眠薬は魔法の薬ではありません。」「睡眠はあなたの眠る力で眠っています。」これらは大切な説明だと思います。  睡眠薬の止め時について、睡眠薬を使い始めた時の問題が解消したら止めるよう説明されています。問題が明確でない場合もあるので、問題が解消したか判断しづらい場合もあります。  GABA-A受容体作動薬が含まれる睡眠薬は、身体的依存(GABA-A受容体の鈍化や減少)が緩やかに起きるので、長期間連用すると薬なしで眠るのが難しくなり場合があります。使用している睡眠薬を増やしたくなったり、もっと強い薬を求めるようになった時点で減薬を検討するのが良いと私は思います。  動画は10分以上と長めです。話す速度もかなりゆっくりで、眠たくなりました(笑)。動画の冒頭にどういう話をするか目次があると良いなと感じました。目次があると動画を見返すときにも役立ちます。  冒頭で紹介したサイトでは、アンケートを実施しています。アンケートに回答すると「睡眠ビデオのまとめ」が表示されます。 アンケートへのご協力ありがとうございました。 | 東京慈恵会医科大学 精神医学講座

シンポジウム「平成30年度診療報酬改定後のベンゾジアゼピン系睡眠薬の減量」

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https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2019/PA03330_02 記事のご紹介 第115回日本精神神経学会開催 | 2019年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院 医薬品の正しい情報提供を求める  三島氏はまず, 睡眠薬 を初めて服用した患者を追跡した結果, 10人に1人が1年以上の長期服用につながった ことを示した氏らの調査を紹介した。 睡眠薬を処方する精神科医・心療内科医の9割が症状改善後に睡眠薬を中止すべき と考えており,睡眠薬や抗不安薬処方適正化の推進に, 複数回にわたる診療報酬改定が一定の成果を与えた と見る向きがある。一方で 患者が減薬を嫌がる,減薬のタイミングがわからない などの理由で実現には至らないケースがあると氏は話し,「 適切な患者教育や精神科薬物療法の情報提供が求められる 」と今後の課題をまとめた。 引用: http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03330_02  消費者は処方薬について詳しく説明を受けていないことが多いと思います。処方薬を自分で調べる方法を知らない場合もあります。薬局で添付文書を見せてほしいとお願いしたら、医療従事者向けだからと拒否された話を読んだことがあります。現在では「 医療用医薬品 情報検索 by 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 」で添付文書が公開されていますから、誰でも読めます。  処方薬を受け取る際に薬局で薬の説明書きを渡されますが、その内容は患者に薬を受け入れさせるための文章で、正しく理解させる意図が全く感じられません。このような薬の説明書きは消費者をバカにしています。私は自分が薬局から受け取った薬の説明書きをコピーして厚生労働省へ渡し、景品表示法の優良誤認(実際のものよりも著しく優良であると示すもの)に当たるのではないかと指摘しました。薬のメリットと同じ分量のデメリットも書くべきだとも指摘しました。  処方された睡眠薬が以下のどの分類に該当するか明示するだけでも、消費者の判断に役立ちます。 睡眠薬の分類 GABA-A受容体作動薬(本サイトのメインテーマ) バルビツール酸系 ベンゾジアゼピン系 チエノジア

ブラック・ジャック「消えさった音」から考える

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ブラック・ジャック「消えさった音」 【194】消えさ った音 | 手塚治虫「ブラック・ジャック」40周年アニバーサリー! | 秋田書店 あらすじ  航空機離着陸の騒音でノイローゼになった田田川さんは、騒音の度に自分の鼓膜を破いてしまう。医師は転居を促すが、先祖代々守ってきた農地を離れることを拒否する。今度は騒音を聞いて耳に熱湯を注ぎこんでしまった。  天才無免許医師のブラック・ジャックが大きな音だけが聞こえなくなる鼓膜形成手術をした。それによって、騒音に悩まされなくなったが、自分だけが騒音問題の当事者でなくなってしまった。騒音問題を取り戻すため、ブラック・ジャックに元に戻す手術をお願いするのであった。 騒音問題を取り戻す理由 自分だけ騒音問題が無くなっても、騒音で苦しんでいる人がいるから。 騒音問題が生きがいだから。 問題が解決した後の世界を思い描く  問題が解決した世界を思い描いたほうが、問題の解決に近づきます。その世界には問題を思い出すものは登場させないほうが良いと考えられます。  問題をすっかり忘れた時、本当の解決になります。例えば禁煙して何日経ったかカウントしている人は、まだ禁煙に成功していないと言えます。 問題依存症にご用心  様々な活動家がいらっしゃいますが、問題が解決してしまったら、仕事が無くなってしまいます。問題をきれいに解決しないように、問題の種をまきながら活動家をされている方もいらっしゃいます。しつこい活動家は小さな問題を探し出し、大きな問題として取り上げます。 「消えさった音」では騒音問題に取り組む姿勢について、手塚治虫が皮肉を込めて描いています。ブラック・ジャックの特殊な外科手術によって一人の男の騒音問題は解決しましたが、納得しませんでした。  問題が解決した世界に、問題を登場させてはいけません。問題から解放された世界をリアルに思い描いてください。そうすることで今何をしたら良いかが分かります。  私は活動家ではなく、解放家みたいな役割をします。

カモミール中にあるアピゲニンは、ベンゾジアゼピン受容体に作用する

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医師が教えるカモミールティー7つの効能。腰痛、目の下のクマにも  次の記事を見つけました。 医師が教えるカモミールティー7つの効能。腰痛、目の下のクマにも カモミールティーのすごい点は、なんといっても眠気を誘う力があること。植物のフラボノイドは脳内の ベンゾジアゼピン受容体 と結合し、穏やかな精神安定剤のように働くのです。 ※上記記事より引用  カモミールティーが眠気を誘うのは聞いたことありましたが、それがベンゾジアゼピン受容体(正確にはGABA-A受容体にあるベンゾジアゼピン結合部位)に結合するプラボノイドだったとは知りませんでした。 アピゲニン  調べてみるとそのプラボノイドは「アピゲニン」でした。アピゲニンは抗不安作用とわずかな鎮静作用を発揮しますが、抗けいれん作用と筋弛緩作用は示さないベンゾジアゼピン受容体作動薬です。フルニトラゼパムと競合して阻害するとの情報があります。  GABA-A受容体作動薬(バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、Z薬)とカモミールティーを併用すると薬の作用が増強または弱められる可能性があると想像できます。 アピゲニンを含む植物、食品 パセリ セロリ アーティチョーク カモミール タラゴン バジル コリアンダー オレガノ タイム 赤ワイン リンゴ チェリー ブドウ カモミールの精油成分 テルペン(疎水性の芳香成分) ビサボロール(抗刺激性、抗炎症性、抗菌性を持つ芳香成分) ファルネセン(芳香成分) カマズレン(抗炎症作用を持つ芳香成分) アピゲニン(抗不安作用とわずかな鎮静作用) ケルセチン(抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧作用、強い血管弛緩作用が報告されている) パツレチン(不明) ルテオリン(抗酸化物質活性、炭化水素代謝の促進、免疫系の調整、2型糖尿病の治療等の

請願(せいがん)と陳情(ちんじょう)について

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請願(せいがん)とは こいねがうこと。目上の人などに願い出ること。「会社に復職を請願する」 国民が国または地方公共団体の機関に対して、損害の救済、公務員の罷免、法律・命令・規則の制定・廃止・改正その他の事項に関し、文書で希望を申し出ること。日本国憲法で権利(請願権)として認められているもので、請願法・国会法・地方自治法に手続規定がある。「国会に請願する」「請願書」 出典: デジタル大辞泉  日本国において請願は、法律に規定された行為であり、権利です。ただし、請願によって特別扱いされるものではなく、また回答を得られる保証もありません。 法律 日本国憲法 第十六条  何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。 引用: https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=321CONSTITUTION#50 請願法 昭和二十二年法律第十三号 請願法 第一条  請願については、別に法律の定める場合を除いては、この法律の定めるところによる。 第二条  請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合は居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。 第三条  請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。 ○2  請願の事項を所管する官公署が明らかでないときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。 第四条  請願書が誤つて前条に規定する官公署以外の官公署に提出されたときは、その官公署は、請願者に正当な官公署を指示し、又は正当な官公署にその請願書を送付しなければならない。 第五条  この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。 第六条  何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。 附 則 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。 引用: https://elaws.e-gov.go.j

厚生労働省は「国民の皆様の声」を募集しています

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https://www.mhlw.go.jp/houdou_kouhou/sanka/koe_boshu/ 「国民の皆様の声」募集|厚生労働省 「国民の皆様の声」募集|厚生労働省  「国民の皆様の声」に対する厚生労働省の対応が公開されています。『「国民の皆様の声」募集 送信フォーム』へのリンクもあります。 「国民の皆様の声」募集 送信フォーム|厚生労働省 「国民の皆様の声」募集 送信フォーム|厚生労働省  よりよい厚生労働行政を行っていくために、制度改善についてのご意見、不要だと思われる制度・支出についてのご指摘、ホームページに関するご意見などをお寄せください。 引用: https://www.mhlw.go.jp/form/pub/mhlw01/getmail 種別 厚生労働省の対応 ご意見 原則回答なし ご要望 原則回答なし ご質問 メールアドレスに返答あり 入力時のアドバイス  ウェブブラウザーの強制終了などで入力中の文章を失わない為に、いきなりフォーム欄に入力するのではなく、テキストエディタ(メモ帳、Microsoft Wordなど)に下書きを書いてから、コピー&ペーストすることをおすすめします。手元に原稿が残る利点もあります。  2000文字以内で書く必要があります。超過しないように気をつけましょう。  無駄に長い文章は、読み手に負担をかけますので、要点を押さえた読みやすい作文を心がけましょう。  一度送信した文章は取り消すことはできません。直ぐに送らず、1日ぐらい経過してから下書きの見直しをおすすめします。

「心房細動にベンゾジアゼピン系薬剤を使用して複視が……」 by 読売新聞

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https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190514-OYTET50006/ 「心房細動にベンゾジアゼピン系薬剤を使用して複視が……」  読売新聞のサイトに「心房細動にベンゾジアゼピン系薬剤を使用して複視が……」という記事がありましたので紹介します。 心房細動にベンゾジアゼピン系薬剤を使用して複視が…… | ヨミドクター(読売新聞) ベンゾジアゼピン系の抗不安薬の多くで、「複視」の副作用があることが薬剤の添付文書に記載されています。 引用: https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190514-OYTET50006/ 眼科医の立場で言えば、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬の心房細動への適用は、薬物の添付文書にはありません。 引用: https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190514-OYTET50006/  記事中にデパス(成分名:エチゾラム)が登場していました。 デパスの添付文書 を確認したところ「複視」という言葉は見当たりませんが、次のことが書いてありました。 2. 精神神経系 0.1%未満 不眠,酩酊感,興奮,焦燥,振戦, 眼症状(霧視,調節障害)  0.1%未満とは1000分の1未満のことです。この表現だと多くても0.1%にギリギリ満たさないということで、無視されても仕方がない表現です。割合ではなく生データを書いていただかないと判断が難しい。  心房細動について添付文書に書かれていません。直接的に心房細動の治療に使えるものでは無いようです。 ベンゾジアゼピンは代名詞的存在  デパスは厳密に言えばベンゾジアゼピン系ではなく、チエノジアゼピン系です。ベンゾジアゼピン系と同じGABA-A受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合します。  当サイトのタイトル「ベンゾジアゼピン薬害問題」です。これは「 ベンゾジアゼピン – それはどのように作用し、 離脱するにはどうすればよいか(通称アシュトンマニュアル) 」の影響でこのタイトルになりました。GABA-A受容体作動薬の中でベンゾジアゼピン系は過半数を占めています。ベンゾジアゼピンがGABA-A受容体作動薬の代名詞的存在になっています。 GABA-A受容体作動薬