投稿

松本医師の意見書を読みました

イメージ
 Twitterのフォロワーの方から、 松本俊彦医師の意見書 について意見を求められましたので、読んでみました。 松本医師の意見書による「依存」とは 精神依存とは物質への渇望が生じた状態です。 身体的依存とは正常な生理現象です。 薬物依存の診断には(DMS-4までは「物質依存」、DMS-5では「物質使用障害」)精神依存の存在が必要です。 常用量依存は生理現象であって、渇望を伴う「精神依存」はないから、薬物依存の診断の対象ではありません。 常用量依存は薬物依存とは異なる病態です。薬物依存と常用量依存は区別して扱います。 常用量依存と診断するためには、その他の可能性を排除出来なければなりません。 私の依存に対する考え方  私はこの手の議論にはパソコンに例えて説明します。パソコンはハードウェアの上にソフトウェアが成立しています。ソフトウェアはハードウェアに依存していますから、ソフトウェアはハードウェアを無視できません。ハードウェアに異常があればソフトウェアにも影響を与えます。パソコンメーカーでは、ハードウェアの故障か、ソフトウェアの故障かを切り分ける際に、ソフトウェアを初期化して再設定することで判断したり、正常なハードウェアを1つずつ交換することで、故障を見つけます。しかし、人間はそれが出来ません。  精神医療の臨床では、身体(ハードウェア)的なことは診ておらず、精神(ソフトウェア)的なものを医師の主観で扱っています。個別の診断は、医学界の問題ではなく、その医師と患者の個人的な問題に追いやられています。  身体的な事なら、第三者が後からでも同様に評価できる検査データを用意できるはずです。常用量依存は身体的な事でありながら、裁判所に提出できる検査データとして存在しておらず、概念的な情報と原告の主観、医師の意見書など文章で訴えています。  常用量依存が身体(ハードウェア)依存だとすると、精神(ソフトウェア)依存にも影響を与えているはずで、それを無視することは出来ないはずです。しかし、臨床では精神(ソフトウェア)しか観察していません。現在の精神医療の限界が、松本医師の解釈の発端になっていると推察します。  精神依存の原因は身体依存で説明できるのではな

2016年7月11日「世界ベンゾ注意喚起の日」が終わった後 その2

イメージ
  7月11日の「世界ベンゾ注意喚起の日」に参加しました。 その翌日から東京観光をさせて頂きました。 皇居東御苑へ  7月13日は 皇居東御苑 へ行きました。  高層ビル群を見上げながら皇居へ向かいました。やはり東京はすごいなと、けれども見た目で中身は分からない、そう自分を勇気づけながら歩きました。  皇居東御苑ではガイドツアーが行われていて、それを目当てにしていました。集合時間は13:30でした。空から時どぎ雨が落ちてくる天候で、ガイド二人に対して参加者は3人でした。私はマンツーマンで皇居東御苑を案内して頂きました。説明に集中していて写真は余り撮っていません。 大手門  大手門は旧江戸城の正門として存在していて、桝形城門と呼ばれる外敵からの防御に優れた形をしています。一直線に進めないように1つ目の門から90度折れ曲がって次の門があります。そこがボトルネックとなり足止めをされている間に鉄砲や槍などで敵の侵入を阻止していました。 同心番所・大手三の門跡  同心番所・大手三の門跡は時代の交差点を感じさえる所です。瓦の紋章ですが、徳川家の葵と天皇家の菊のご紋が混ざっています。理由は大政奉還後に修繕された際に置き換えられたからだと思います。大手門から旧江戸城へ進む途中に番所(チェックポイント)があり、ここを籠に乗ったまま通過できたのは徳川御三家(尾張・紀伊・水戸)の大名だけでした。 百人番所  百人番所は常時100人が詰めていた番所で、昼夜問わず護衛の為に待機していたところです。  旧江戸城に進むに連れて、無力化させられて、身軽な状態でしか謁見できなかったそうです。 天守台  天守台は明暦の大火で焼失した江戸城を再建する際に作られた物です。その上に建設する予定だった天守閣は大火によって被災した城下町の再建を優先するようにとの保科正之(ほしな まさゆき)様のご進言によって現在まで再建されずにいます。ミロのビーナスの欠損した腕のように本来あるべき物が無いと、人間の想像力がそれを映し出します。私には立派な城が見えました。やはり歴史は我々に忘れてはいけない大切な事を教えてくれます。 空を譲り合うクスノキ 2本のクスノキが空を譲り合う(東御苑内)  東御苑には多くの植物があります。その中に大きなクスノキがあり空を譲り合っています。植物に心は無いかも知れ

2016年7月11日「世界ベンゾ注意喚起の日」が終わった後 その1

イメージ
  7月11日の「世界ベンゾ注意喚起の日」に参加しました。 その翌日から東京観光をさせて頂きました。 7月12日は東京スカイツリーへ行きました。 東京スカイツリー 地上350m展望デッキからの眺望1 ガラス張りの床 東京スカイツリー 地上350m展望デッキからの眺望2  東京スカイツリーは2012年5月に開業した電波塔と商業施設を併せ持つ高さ634mのタワーです。地上350mに展望デッキ(平日・当日券2,100円)があり、450mに天望回廊(平日・当日券+1,000円)にあります。  天気もまずますで関東一円の眺めを楽しみました。プールで泳ぐ人々が足元のアリ程の大きさに見える高さです。アイスコーヒーを飲みながらぼんやりと眺めました。 東京スカイツリー TOKYO SKYTREE  人間観察をしていると、同じ日本人でも私の地元の人々と顔つきが違います。服装も違うし、お化粧も違います。日本人だと思って声を掛けたら、異国のアジア人だったこともありました。違いの中に身を置くと、自分が浮き彫りになる感じがしました。  ポケモンセンタースカイツリータウンで、ポケモンカードを配っていて、多くの人が受け取っていました。私はポケモンに興味がなく、未だにポケモン人気はあるんだと傍観していました。  東京ソラマチとして商業施設も多くあり、ここへ来ただけで1日は十分楽しめる観光地でした。天気の良い日なら一回は訪れても良い場所だと思いました。  歩きで移動したので、ゆっくりと流れる景色を目に焼き付けました。 関連記事 2016年7月11日 厚生労働省へ陳情に参加いたしました 2016年7月11日 厚生労働省へ手渡した提案書の概要 2016年7月11日「世界ベンゾ注意喚起の日」が終わった後 その1 2016年7月11日「世界ベンゾ注意喚起の日」が終わった後 その2   ※この記事は2016年8月3日に公開したものに、修正加筆を行いました。

ベンゾジアゼピンに関する裁判傍聴しました

イメージ
名古屋高等裁判所  2018年6月28日13:10分から名古屋高等裁判所・第1004号法廷で私はベンゾジアゼピンに関する裁判を傍聴しました。裁判の傍聴は初めてでしたので、少し緊張しました。 お断り  予めお断りいたしますが、私は裁判の内容を子細には把握していませんし、今回の判決文を精査しておりません。不正確な内容を含みますので、正確な情報をお知りになりたい方は民事事件記録を閲覧してください。今後、 コチラ で閲覧できると思います。もしくは 原告が公表している情報 をご参照ください。  私は 全国ベンゾジアゼピン薬害連絡協議会 (略称:BYA)に 所属しておりません し、裁判を起こす意志はありません。 法廷見取り図 名古屋高等裁判所第1004号法廷 見取り図 事件番号  平成25(ワ)5249 1審判決(平成29年3月17日) 主文 被告は,原告に対し,117万7330円及びこれに対する平成16年7月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを100分し,その99を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 参照: 判決文の写し 2審判決(平成30年6月28日) 主文 本件各控訴をいずれも棄却する。 1審原告の当審における拡張請求を棄却する。 1審原告の控訴費用及び当審における拡張請求に関する訴訟費用は1審原告の負担とし,1審被告の控訴費用は1審被告の負担とする。 参照: 判決文の写し タイムライン 13:04 原告とその弁護士が入廷した。私は傍聴席に着座した。 13:10 開廷。裁判官3人入場し、起立・礼・着席。 13:11 判決申し渡し。本件は最初。その後、別裁判の判決3件ほど言い渡し。 13:14 閉廷 14:23 桜華会館(蘭の間)へ移動。 14:35 BYA(ベンゾジアゼピン薬害アソシエーション)報告会開催 15:30 解散 報道 中日新聞2018年6月29日朝刊34ページより引用 BYA報告会(原告や弁護士からお聞きしたこと)  原告の弁護士に「裁判官は医学や薬学の高度な知識を持っていないに、どうして判決を出せるのか?」と質問したところ、医師が書い

2016年7月11日 厚生労働省へ手渡した提案書の概要

イメージ
  7月11日に厚生労働省へ陳情に行ってきました。 その際に私が手渡した提案書の概要について、書きたいと思います。  準備段階で「陳情書」として書いていました。しかしW-BADの広報担当から陳情書は既に準備済みと知らされましたので、相手を混乱させないように「提案書」として書き直しました。参加を決めたのが7月7日でして、実質3日間が準備期間でした。その為、不十分な個所を残しながらの提出となりました。 陳情へ伺った経緯について  通院するきっかけや、主治医の態度、処方薬によって仕事が続けられなくなったこと、セカンドオピニオンを受けた経験、アシュトンマニュアルにより断薬の必要性に気付いたこと、減薬に要した期間、断薬後について、大切な恩師との永遠の別れ、今現在の気持ち、全世界の人々の時間をこれ以上無駄にしたくなく参上したことをA4用紙2ページで書きました。  準備期間に余裕があれば、私の具体的な減薬体験とその記録を提示したかった。終わってしまった過去の内容よりも、これから変えていけられる項目の提案に時間を割り当てました。 ご提案1:GABA受容体作動薬を安全に中止する為の手段を確立されてはいかがでしょうか  GABA受容体作動薬の説明からはじめて、耐性はどうして形成されるのか、耐性形成後に薬を増量すると最終的にはどうなるか、離脱症状とはどうして出るのかを前提の知識になるように書きました。  私がベンゾジアゼピン系を含む向精神薬を中止する必要性を感じ、医師とも合意して減薬したのですが、その過程は臨床現場で試行錯誤していて、減薬方法が整っていないと感じた事を指摘しました。  減薬専用のベンゾジアゼピン系薬を用意してはどうかと提案しました。ニコチン依存症っであればニコチンパッチがあったり、アルコール依存であれば心理的な支援や互助サークルがある。ベンゾジアゼピン系の依存症治療の具体的な方法の確立をお願いしました。 ご提案2:第1種向精神薬、第2種向精神薬、第3種向精神薬に含まれていない薬が存在していますので、リスクが少ないという誤解が生じないようにご注意をお願いします   第1種向精神薬、第2種向精神薬、第3種向精神薬のどれにも属していないベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系があることを指摘しました。特に精神科や心療内科以外の診療科で

行政がベンゾジアゼピン受容体作動薬の常用量依存を認める

イメージ
 ベンゾジアゼピン受容体作動薬とは、GABA-A受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用する薬です。多くはベンゾジアゼピン骨格という構造を持っています(※1)。常用量依存とは医師の指示を守っても連用によって依存が形成されることです。 ※1 プロドラッグといって体内に入ってからベンゾジアゼピン骨格を形成する薬があります。その例として製品名:リスミー(物質名:リルマザホン塩酸塩水和物)があります。また、製品名:グランダキシン(物質名:トフィソパム)はベンゾジアゼピン骨格がありますが、ベンゾジアゼピン受容体に作用しないとされて、今回の対象から外されました。 PMDAからの医薬品適正使用のお願い ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について ※全2ページ PMDAからの医薬品適正使用のお願い ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について[PDF]  ページ1 PMDAからの医薬品適正使用のお願い ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について ページ2 本邦で承認されているベンゾジアゼピン受容体作動薬 向精神薬管理種別 一般名 販売名 第3種向精神薬 アルプラゾラム コンスタン、ソラナックス 他 未指定 エスゾピクロン ルネスタ 第3種向精神薬 エスタゾラム ユーロジン 他 第3種向精神薬 エチゾラム デパス 他 第3種向精神薬 オキサゾラム セレナール 他 第3種向精神薬 クアゼパム ドラール 他 第3種向精神薬 クロキサゾラム セパゾン 第3種向精神薬 クロチアゼパム リーゼ 他 第3種向精神薬 クロラゼプ酸二カリウム メンドン 第3種向精神薬 クロルジアゼポキシド コントール 他 第3種向精神薬 ジアゼパム セルシン、ホリゾン、ダイアップ 他 第3種向精神薬 ゾピクロン アモバン 他 第3種向精神薬 ゾルピデム酒石酸塩 マイスリー 他 第3種向精神薬 トリアゾラム ハルシオン 他 第3種向精神薬 ニメタゼパム エリミン 第3種向精神薬 ハロキサゾラム ソメリン 第3種向精神薬 フルジアゼパム エリスパン 未指定 フルタゾラム コレミナール 未指定 フルトプラゼパム

2016年7月11日 厚生労働省へ陳情に参加いたしました

イメージ
これは私が撮影した写真です。  2016年7月11日に、私(quit_benzo)はW-BADの呼びかけに応じて、厚生労働省へ陳情に参加いたしました。  W-BAD日本 広報担当 は厚生労働省へ予め要望書を提出されていたようです。当日、厚労省はその回答を全て口頭で行いました。私は要望書の内容を事前に把握しておらず、回答の内容を要約し記録しきれませんでした。  厚生労働省から文書での回答を得られるように、東京都都議会議員の上田令子様が質問書を送付すると仰っていました。 要望書の内容 ベンゾジアゼピン系薬物処方期間の継続に制限を設けること ベンゾジアゼピン系薬物依存症に関する全ての医療関係者を対象とした研修を実施すること ベンゾジアゼピン系薬物依存症に特化した専門医療機関の設置拡充と、治療のあり方の改善をすること 子どもへのベンゾジアゼピン系薬物の安易な投与は厳禁とし、薬剤に頼らない解決策を第一義的に構築すること ※引用: https://ameblo.jp/momo-kako/entry-12179814603.html   回答を思い出しながら以下に書きます。 1.「ベンゾジアゼピン系薬物処方期間の継続に制限を設けること」への回答  処方期間を画一的に設定することは医療の選択の幅を制限することになるので、処方期間を制限しないという回答でした。 2.「ベンゾジアゼピン系薬物依存症に関する全ての医療関係者を対象とした研修を実施すること」への回答  現状を説明しただけで中身のある返答ではなかったように思います。 3.「ベンゾジアゼピン系薬物依存症に特化した専門医療機関の設置拡充と、治療のあり方の改善をすること」への回答  具体的に設置を検討していない。薬物療法意外にも認知行動療法の有効性を認め取り組んでいる。  この回答を受けて、BENZO CASE JAPAN創設者のウェイン・ダグラスさんが離脱症状で苦しみ自分で止められない不随意運動で苦しんでいる人の為にもリカバリー施設が必要であると力説していました。またウェインさんがベンゾジアゼピン離脱時に無意識に自死企図した場面を振り返り話されました。また一気にベンゾジアゼピンを離脱した時に車を衝突させて命を落としそうに