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コラム

医者も患者もコレを言われると、内心ものすごくムッとする

コラム
引用:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51698

医者は患者にコレを言われると、内心ものすごくムッとする(週刊現代)」を読んでみて文章が巧みだなと感じました。

医者が病気を治すのではなく、病気を治すのはあくまで患者自身。その手助けをするのが医者の役目だ。それを勘違いしてはいけない。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51698?page=2

 誰が勘違いしているのか明示されていません。主語が医者なら、医者の自覚を促す意味になり、主語が患者なら患者の自覚を促す意味になります。読み手が主語なら、読み手の自覚を促す意味になる。主語が無いことで、広く自覚を促しているのだろう。

 病気は治るのを補助するぐらいで、積極的に治せません。医療は度が過ぎると邪魔になってしまう。日本の医療制度は医療行為をしないと診療報酬がもらえないので、収益面を考えると何か医療行為をしなければなりません。治療結果で報酬が評価されるなら、結果重視の医療になると思います。

 記事は医者と患者のコミュニケーションの問題を指摘しています。治療の進捗状況を共有しにくい分野でコミュニケーションの問題が起きやすいのではないかと思います。

 私は優秀な皮膚科の医者を知っています。説明も丁寧で治療目的をしっかり説明してくれます。診断が的確なので人間関係が深まる前に治療が終わってしまいます。診断と治療結果が客観視できる分野はコミュニケーションの問題に発展しにくいのかもしれません。

 対照的に精神科では病気を概念的に扱っているものが多いので、治療の進捗状況も概念的にしか説明ができません。精神科医の概念に閉じ込められると、第三者の入り込む余地が無くなって、治療の見直しができなくなります。そこから脱出できるのは本人が望むときに限られます。

 私は精神医療をテレビゲームのRPGみたいなものだと受け取っています。主人公でもテレビゲームのプログラムを超えた行動はできません。ゲーム開発者の意図に翻弄されることになります。出てくる敵が強すぎるとか、アイテムが少なすぎるとか、全然進まないとかテレビ画面に向かって文句を言っても何も変わりません。開発者出てこいと叫んだところで出てきません。プレイヤーが出来る事は、テレビゲーム本体の電源を切ることです。その時やっとプレイヤーは解放されます。

 ベンゾジアゼピン系は急に減薬すると離脱症状が出る場合があるので、ゆっくり減薬する必要があります。テレビゲームのように急に止められない。仕組みが分かった地点は、折り返し地点にすぎません。それが辛い所です。

 治療が長期化すると人間関係がこじれてくる可能性も高くなります。そうなる前に治療が終わってくれることを願いたい。

 私はパンチの効いた記事に舌を巻いた。

 


※この記事は2017年5月31日に公開したものに、修正加筆を行いました。

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