『「死にゆく人の心」を蝕むスピリチュアル・ペインの対処法』と言う記事を読みました。正解があるわけではないですが、私の考えたことを書きたいと思います。
スピリチュアル・ペイン
スピリチュアル・ペインと言うのは、「痛み」という言葉になる前段階の「何か」であるようです。具体的に指し示すことのできない痛みのようです。「スピリチュアル」が表すのは生命だと私は思いました。人間は生命を壊すことは簡単にできても、人工的に作ることはできません。その作れないものをスピリチュアル(霊的)なものと仮定しています。
言葉を紡がなくなる
終末期医療を受けている方は、人生の終わりを自覚している人です。どうやって最後を迎えようか考えていると、もっと生きたい、でも希望を持つと辛い、など気持ちが揺れ動くと想像します。その間を行ったり来たりしている内に「何を言っても無駄」と言葉を紡ぐのを諦めてしまうように思います。
能力を活かしたい
ケアする仕事をされている方は、職業人として自分の持っている能力をどう活かすかを日々考えています。内なる感覚の言語化に時間を要する方へ接するときに、それを待てずに代わりに言語化してしまうと、相手が本当に伝えたかった何かが伝えられなくなってしまうのではないかと、筆者は危惧しているように私は感じました。
沈黙のコミュニケーション
沈黙の中にもコミュニケーションはあります。相手の感覚を静かに感じるようにすると、相手の方からどんどん話をしてくる場合があります。あなたは、普段、何秒まで相手の返事を待っていられるでしょうか。お忙しい方でも30秒間、黙って相手を待つことはできるはずです。ゆっくり時間をかけて解きほぐしていけば、相手は自分の要求を話せるようになっていくと思います。
言語化の大切さ、それを待つ優しさ
「子どもに『お母さんお水』と言われてもコップに水を入れて渡してはいけません」という話を聞いたことがあります。「のどが渇いたからコップに水を入れてください」と伝えてくれるように練習させて、自分の要求をしっかり相手に伝えるようにするそうです。生きる上で自分の要求を言語化するのはとても大切です。しっかり言語化する機会を作ってあげるのも優しさです。
