「多動力」堀江貴文(ほりえ たかふみ)著を読みましたので、感想を書きたいと思います。
※本を読んで私が要約したり、独自解釈した物です。著者の見解を正確に紹介する意図はありません。
堀江貴文さん
一言で表すなら「IT Badboy」、つまりIT(情報テクノロジー)の悪ガキです。2000年代はITでしたが、近年では低価格オーダーメイドロケット事業(インターステラテクノロジズ株式会社)、和牛と神戸牛の魅力を世界に発信(WAGYUMAFIA)、本当に美味しいお店が探せるグルメキュレーションサービス(TERIYAKI)などに携わっています。ITを捨てたわけではなく、どの分野でもITを活用されています。
多動力とは
多動力とは「いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う」P.3とあります。同時にと書いてありますが、興味関心があることをいくつか切り替えながらこなす力のようです。今成功しているビジネスモデルに専念している内に、そのビジネスモデルを破壊するツールが登場し、新たなビジネスモデルに飲み込まれることが起きています。近年ではインターネットが旧来のビジネスモデルを飲み込んできた。
インターネットは人々をつなげてきたが、IoT(物のインターネット)と言い、インターネットに接続した機器が互いに通信し、人間の判断を挟まずに物事を進めていく時代に向かっている。例えば自動販売機が在庫状況をサーバーへ送り、その情報を元に補充マシーンが自動で補充して、在庫状況をアップデートする。決まりきったルーチンは人間を必要としなくなる。もう少し複雑な状況を処理するにはAIの進歩が必要かもしれない。
今ある前提条件は簡単に破壊されるから、それにこだわり続けてはいけない。現状維持ではなく、新しいものを探求し続ける力、それが「多動力」です。
同じ人間はいらない
ある分野で100人に1人の人財では弱いです。3つの分野で100人に1人になれれば100万人(100の3乗)に1人の人財になれます。複数の分野をある程度極める事で、掛け算の価値が生まれます。名刺に書いて渡せるような肩書を3つ育てよう。
100人に1人になるには1万時間(約6時間×5年)取り組めば誰でもなれると書いてあります。やっていて気持ちが良い事なら、もっと短時間で成長できると思います。
1つの分野を続けると飽きてきますから、違う分野に取り組むことは気分転換にもなります。自分の新たな面を発見することもできると思います。ある分野が斜陽になっても、育てておいた違う分野でカバーすることも可能です。
手段より結果重視
手段より結果が大切です。結果を重視すると、いつもと違う手段を選ぶことが可能です。
他人に任せられる仕事は、自分でやる必要はありません。自分にしかできない事に、時間を使うべきです。
「完璧主義者」より「完了主義者」であることで、自己満足に区切りをつけて、仕事を完了させられます。
結果を出せない事を恐れて、準備に逃げてしまうと、実践する機会を失ってしまいます。見切り発車でいいので、トライ&エラーを繰り返しながら改善したほうが準備に費やすより良い結果になります。
私は手段重視の人生を送ってきたので、とても耳が痛いです。手段に熱心なので、それを無駄にしたくなくて、更に手段にこだわってしまいます。
集中力に任せる
興味が出た時に学ぶのが一番効率は良いのですが、学校教育は教える側の都合で教える事を決めています。自分で何をしたいかが芽生える前に学習させられるので、自分が何をしたいか分からなくなる人が多くなります。何かをやらされる側の人間が増産されています。
興味があることに集中力が向かうのは本能です。それに任せてやれるだけやって、飽きたら次の対象に向かえば効率よくこなせます。
「多動力」は同時並行に実行するというよりは、いくつか切り替えながら効率的に実行する力の事だと思います。
時間泥棒は排除する
自分の時間をワクワクすることに使い、それ以外は安く外注できるものは外注します。
非同期コミュニケーション(メール、LINE、テキストメッセージなど)で事足りる内容を同期コミュニケーション(電話、面会)で伝えてくる人とは付き合いません。
会議中でも、議題の重要度が低い場合は、スマホを操作して別の仕事をすることに遠慮はしません。
他人の都合に振り回されずに、自分の都合で時間を使います。そのためには、やりたくない仕事を断ります。
相手の都合に合わせてあげる人は優しい人に感じますが、人に合わせて欲しいという欲求の持ち主でもあるかもしれません。自分の都合で時間を使う人は、相手にもそれを認められるはずです。自分に課していることを、人にも課してしまうのが人間だと私は思っています。
思考の抽象度を上げる
思考の抽象度を上げると、クリエイティブになれます。車を抽象的に表現すると、車輪が1つ以上あり、車輪を回転させる動力があり、人が座る場所があり、人が進行方向と速度を調節できるモノと言えます。もっと抽象度を上げられるかもしれません。具体的に車を知ってから、車を開発すると、同じようなモノを作ろうとします。抽象的に考える事で、車とは何かを明らかにできて、新たな価値を生み出せます。
言葉は抽象度の高い道具です。100人に車の絵を描いてくださいとお願いしたら、同じ絵は1つもないでしょう。言葉は多くの想像を与えます。
人に影響力を与えられる人は、思考の抽象度が高く核心を得ていて、それを具体的に言葉で表現でき、人に多くの想像をさせる人です。受け手は核心に迫りたいので、その人をフォローし続けます。少ない力で多くの人を動かせます。多動力とは影響力でもあると感じました。
