ベンゾジアゼピン依存と離脱 FAQより ベンゾジアゼピン離脱中に運動すべきか?


 Yahoo!知恵袋に「運動すると体脂肪に蓄積しているベンゾジアゼピンが血中に溶け出して、少しだけベンゾジアゼピンを摂取したことになり離脱症状が楽になると思うのに、悪化するのは何故か」のような質問がありました。その答えに自分なりの考察を書いた後に、もっとしっかりとした回答がないかと調べたところ次の英文がありました。

BENZODIAZEPINE DEPENDENCY AND WITHDRAWAL
Frequently Asked Questions (FAQ) file
ベンゾジアゼピン依存と離脱
よく尋ねられる質問(FAQ)ファイル

31. SHOULD I EXERCISE DURING BENZODIAZEPINE WITHDRAWAL?
Yes. Aerobic exercise has consistently been found in studies to reduce both anxiety and depression. Some people believe that aerobic exercise may even shorten the course of withdrawal. Strenuous aerobic exercise is often difficult for people in withdrawal, as it causes an influx of adrenaline that can heighten withdrawal symptoms. In some cases, people have reported experiencing panic attacks after intensive exercise. Where you are unable to engage in vigorous exercise, it is recommended that you engage in as much low impact aerobic exercise as possible. Brisk walking is a good form of aerobic exercise that some people have reported as having an immediate, calming effect. Relatively non-strenuous swimming is also a good option.
引用:https://www.benzo.org.uk/FAQ1.1.htm#31

31.私はベンゾジアゼピン離脱中に運動すべきですか?

 はい。有酸素運動は不安とうつの両方を低減させることが研究で継続的に判明しています。一部の人々は有酸素運動でも離脱の道程を短縮できると信じています。

 激しい有酸素運動は離脱中の人々を困難にさせる、それはアドレナリンの流入の原因になり離脱症状を高める可能性があります。いくつかのケースでは、人々は、激しい運動後のパニック発作を経験し報告しています。あなたが激しい運動に取り組めない場合、あなたができるだけ多くの負荷の少ない有酸素運動に取り組むことをお勧めします。早歩きは有酸素運動の良い形で、一部の人々は即時に心を落ち着かせる効果を報告しています。比較的激しくないスイミングもよい選択肢です。
※quit-benzoによる翻訳

離脱症状とは

 脳に多くのGABA-A受容体があります。GABA-A受容体は興奮伝達を調節する部位です。ベンゾジアゼピン系を長期間服用するとGABA-A受容体の数や働きが減少していきます。その結果、興奮伝達を抑制する能力が減少します。GABA-A受容体の回復にはベンゾジアゼピン系などのGABA-A受容体作動薬の使用を非常にゆっくりと減少させる方法があります。個人差はありますが、減薬時に離脱症状として眠れなくなったり、気分が不安定になったり、痙攣が収まらなくなったり、筋肉が硬直したり、嫌な記憶が消えなくなったりと様々な症状が現れます。

ベンゾジアゼピン系は体脂肪に溶けやすい性質

 ベンゾジアゼピン系は体脂肪に溶けやすい性質があります。長期間使用してきた人は体脂肪に蓄積されていると考えられます。運動して体脂肪が燃焼すれば血中にベンゾジアゼピン系が放出されて、それがGABA-A受容体に届けば興奮傾向が抑制されると想像しました。

激しい運動で興奮傾向になる可能性あり

 今回紹介した情報によると、激しすぎる運動は興奮伝達物質のアドレナリンを多く放出して、GABA-A受容体にダメージを受けている人にとっては、興奮傾向になりパニック発作に発展する場合があるようです。適度な運動は不安とうつを低減させるので、ご自身にあった運動強度を慎重に探る必要があります。

まとめ

 激しすぎる運動は離脱症状を悪化させるので止めましょう。適度な運動は不安とうつを低減させるのに役立つ可能性があるので取り入れてみましょう。

 


※この記事は2016年9月25日に公開したものに、修正加筆を行いました。

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