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コラム

『「覚せい剤中毒より治療が困難」普通の人を薬物依存に陥らせる”あるクスリ”』のご紹介

コラム
https://president.jp/articles/-/46045

記事のご紹介

「覚せい剤中毒より治療が困難」普通の人を薬物依存に陥らせる"あるクスリ" 精神科医の気軽な処方が根本原因
薬物依存患者の半数は、違法薬物ではなく処方薬の依存症を抱えている。精神科医の松本俊彦氏は「ベンゾジアゼピン受容体作動薬などの処方薬の依存症は治療がむずかしい。精神科医の気軽な処方が患者を増やしている」という――。(第2回/全2回)

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精神科医の松本俊彦氏は「ベンゾジアゼピン受容体作動薬などの処方薬の依存症は治療がむずかしい。精神科医の気軽な処方が患者を増やしている」という――。

引用:https://president.jp/articles/-/46045

  松本俊彦(まつもと としひこ)氏については、松本俊彦 – Wikipediaを参照。松本氏は、過去にベンゾジアゼピン薬害裁判で被告側(医師・病院側)に協力し意見書を作成しています。その意見書は科学的というより、被告側に求められたストーリに沿って文学的に書かれたように感じました。精神医学は文学的な側面も多分にあるので、治療者の人間性が治療に関係すると考えられます。松本氏はイベントやマスメディアへの登場もある。清原和博さんが通院している病院に松本氏は所属しているようです。それらを総合すると、松本氏はTPOに合わせて発言を変えているように感じられます。どれが彼の本心か見極める必要があると、私は感じています。

 

残りの半分は、処方薬(その大半は、エチゾラムやフルニトラゼパム、トリアゾラム、ゾルピデムといった、ベンゾジアゼピン受容体作動薬として分類される睡眠薬や抗不安薬だ。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=2

物質名(成分名) 販売名 分類
エチゾラム デパスなど チエノジアゼピン系
フルニトラゼパム サイレースなど ベンゾジアゼピン系
トリアゾラム ハルシオンなど ベンゾジアゼピン系
ゾルピデム マイスリー 非ベンゾジアゼピン系、Z薬

 ベンゾジアゼピン受容体とはGABA-A受容体のベンゾジアゼピン結合部位を示す言葉です。作動薬とは、ターゲットの受容体に働きかける薬という意味です。

 

当時、ベンゾ依存症患者は薬物依存症外来の新興勢力であり、「わが国伝統の乱用薬物」である覚せい剤の依存症患者と比べると、さまざまな点で違っていた。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=2

 当時とは文脈からおよそ10年前(2011年)のことを指している。2012年8月に通称アシュトンマニュアルの日本語版が公開された。それより少し前ぐらいから、薬物依存外来にベンゾジアゼピン依存患者が増えたようです。

 

(前略)ベンゾ依存症患者は、「不眠や不安を軽減するために」「抑うつ気分を改善するために」といった意図から、単独で使いはじめているのが特徴だった。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=3

 個人差はあるが、ベンゾジアゼピン系の継続使用で別の問題が発生し、それに対処する為に多剤併用に移行する場合がある。患者は継続使用によってどういう懸念があるか知らされていなかったのではないか。

 

一つは、ベンゾ依存症患者は決して「快感」を求めて薬物を乱用しているのではなく、あくまでも「苦痛の緩和」を求めて薬物を乱用している、ということだった。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=3

 観察者からすると乱用という感想かもしれません。しかし、乱用という言葉は当事者の感情を害すると思います。『あくまでも「苦痛の緩和」を求めて薬物を仕方がなく使用している』とする方が良さそうです。

 

事実、私の調査では、ベンゾ依存症患者の84パーセントは、併存する精神障害の治療を受けるなかで依存症を発症していることがわかっている。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=3

 84%もの高確率で、ベンゾジアゼピンの継続使用によって依存症になるのは、重大な問題だと思います。知らぬ間に医原病にすり替わっている、まるで「カッコウの托卵」のようです。

 

依存症に陥る機制はさておき、ベンゾ依存症患者の治療は実に手がかかる。覚せい剤依存症患者の少なくとも倍は手がかかるといってよいだろう。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=3

 そんな状態にしたのは、医師の責任が大きい。しかし医師からは面倒くさい患者だと思われているようである。確かに面倒くさい状況です。

 

通常、ベンゾを比較的依存性の低い別の薬剤(抗精神病薬や抗うつ薬)に切り替えて精神症状をコントロールすることを試みるが、副作用の問題からそれがむずかしいこともある。そうした場合、ベンゾを規定用量内まで減らしたうえで、医師の管理下で継続服用をさせるという選択肢をとらざるを得ない。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=3

 一気にベンゾジアゼピン系を断薬すると離脱症状(禁断症状)が強く現れることがある。酒類に含まれるアルコールもベンゾジアゼピンと同じ受容体と作用する。アルコール依存症の人にアルコールを止めさせるのと同じぐらい、ベンゾジアゼピン系を止めるのは難しい。中には一気に止めて問題ない人もいるが、それでも一気に断薬しないほうがよいだろう。ベンゾジアゼピン系の離脱症状を、他の種類の薬でコントロールするのは難しいだろう。

 ベンゾジアゼピン処方が規定用量を超えている場合もあるようだ。規定用量を超えて処方しても罰則はないのか?

 

ところが、ベンゾは連用で耐性が生じやすく、乱用期間が長いケースでは、急な中断により重篤な離脱症状を呈しやすい。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=3

 ある裁判の意見書で松本氏は「耐性」(※ベンゾジアゼピン受容体のダウンレギュレーション、身体依存)を生理現象と定義し、「薬物依存」(※薬物への渇望、心理的依存)と別物だと主張している。だから、医師(被告)は患者(原告)を薬物依存にしてはいないという論調でした。薬物依存かどうかは医師の主観に頼っており、裁判で反証しようにも、客観的な証拠が出せません。患者側(原告)はいくら主観で主張しても証拠としては弱くなります。当然、患者側(原告)も医師の意見書を提出したのですが、賠償請求の1%を認められるに留まりました。

 2017年3月21日に厚生労働省よりベンゾジアゼピン系などについて、添付文書を改定(漫然処方しないよう注意書きを加えるなど)するよう通知が出されました。以下はマイスリー(ゾルピデム酒石酸塩)について抜粋。

別紙14

112 催眠鎮静剤、抗不安剤

【医薬品名】ゾルピデム酒石酸塩

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項の継続投与に関する記載を

「連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。」

と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項の依存性、離脱症状に関する記載を

「依存性、離脱症状:

連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、反跳性不眠、いらいら感等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。」

と改める。

引用:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc_keyword?keyword=%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%BE%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%BC%E3%83%94%E3%83%B3&dataId=00tc2516&dataType=1&pageNo=1&mode=0

 添付文書改定後は、それに反する治療を受けた場合に、薬物依存にさせられたと主張しやすくなりました。ただし、「長期使用」とは何ヶ月かは決まっていないので、裁判になった場合に論点になります。残念ながら、上記裁判では2017年3月21日以前の医療行為に関するものだったため、添付文書改訂の通知は有効に働きませんでした。患者側(原告)は薬物の作用は変わらないから、厚生労働省の通知を根拠とした主張は認められるべきだと憤慨されていました。

 私は裁判の傍聴と、判決後の説明会に出席しました。そこで、後から裁判で補償を求めるのはハードルが高いから、裁判にならないように自衛することが重要だと認識しました。交通事故と同じく誰も得はしません。

 私がこの記事を書いたきっかけは、松本氏の記事中の認識と、裁判の意見書の内容が相容れない内容だったので、どういうつもりなのか疑問に思ったからです。裁判になれば論調を変える人物なのでしょうか?

 

実際、典型的なベンゾ依存症患者は、ベンゾの錠剤を、それこそ「FRISK」感覚で日に数十錠も口のなかに放り込む生活を送っている。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=4

 そういう方もいらっしゃいます。完全に薬物耐性ができて、薬が効きにくくなっていることが分かります。

 

具体的には、これまで服用していたベンゾと同じ量を、もっと血中半減期の長い、「切れ味の鈍い」ベンゾで置き換え、しかもすべて散剤化して、小刻みかつ慎重に減量していくことになる。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=4

 半減期とは、血中濃度が最高になってから、半減するまでにかかる時間のことです。半減期が短いと、1日の中で離脱症状(禁断症状)を感じることになり、薬をやめにくい。そうならないように、半減期を長い物に置き換えることがある。

 一気に減薬すると離脱症状が強く現れることがあり、それを避けるために場合により漸減(ゆっくりと減らす)する必要がある。安全策を取るなら、漸減すべきだろう。

 

典型的なベンゾ依存症患者は、平均して12カ所の通院先を持っている。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=4

 そんなに多く通院できることが驚きです。松本氏の前には難易度の高い患者が集まっているようです。

 

(前略)「当該患者はベンゾ依存症で現在治療中です。今後は受診しても絶対にベンゾを処方しないでください」と、医療機関にお願いの手紙を出すのだ。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=4

 この手紙は必要です。ベンゾジアゼピン系は100種程度の製品があり、知らぬ間に処方されていることもある。非ベンゾジアゼピン系はベンゾジアゼピン系と同じくベンゾジアゼピン受容体に作用するので、それも出されると減薬治療が台無しになる。GABA-A受容体作動薬を出されたくない。

 

このような具合に、ベンゾ依存症の治療は細々と手がかかる。ちなみに、ベンゾ依存症治療を数多く手がける知人の依存症専門医は、こうした減薬治療のことを「ベンゾ掃除」と呼んでいた。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=4

 減薬治療は忍耐力が求められる。患者側はお金と時間を消費して、通過点として苦痛を受け入れている。それを「ベンゾ掃除」と呼ばれては不名誉である。

 

ベンゾ依存症患者は、2000年以降、薬物依存症臨床の場で目立ちはじめたが、この世紀の変わり目の年は、精神医学にとってさまざまな意味で分岐点であったと思う。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=4

 1990年代にバブル経済が崩壊した。2000年以後、経済は下降してきた。それも背景で、不安や不眠に悩む人が増え、それに応える医師が増えたのだろう。その時に、ベンゾジアゼピン系の危険性を通知すべきだった。ベンゾジアゼピン系はバルビツール酸系と比べて、比較的安全ということで、気軽に使われてきた。「比較的安全」という言葉は、まやかしだった。

 

新しい抗うつ薬とベンゾ問題とを関係づけるのは奇妙に感じられるかもしれないが、抗うつ薬とともにベンゾを処方するという精神科医療の古い慣習が無視できない影響を与えていたと思う。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=5

 多剤処方されると、問題が起きた時に、どの薬が影響しているのか断定できないので、対応が難しくなります。その上で、別の薬に変えられると、分けがわからない内に薬漬けにされてしまいます。

 製薬会社の入れ知恵によって、精神科医の治療方針は変わってきた。製薬会社主催の勉強会で接待があるとも聞いている。古い習慣(是としてきた治療)を改めるとなると、過去の自分と向き合うことになる。それを避け続けるなら、同じ轍を踏むことになる。

 

(前略)依存症外来におけるベンゾ依存症患者を増加させただけでなく、救命救急医療現場における過量服薬患者を増加させて、精神科医は救命救急医から顰蹙(ひんしゅく)を買うこととなった。

引用:https://president.jp/articles/-/46045?page=5

 救命救急医も顰蹙(ひんしゅく)ではなく、有効な行動を起こしてくれただろうか。

 私はベンゾジアゼピン系を使用していた期間、夜間喘息発作が起きて、夜間外来に駆け込んだことが2度ほどあります。ベンゾジアゼピンを服用していると伝えた後、夜間診察の医師に迷惑そうな顔で言われた言葉は「君は、来てはダメだ」でした。ベンゾジアゼピン系は呼吸抑制が起きるので、喘息発作はベンゾジアゼピン系が原因だと見抜いていたのだろう。私も顰蹙を買ったのだ。

 ベンゾジアゼピン系をやめて以後、一度も喘息発作は起きていません。

まとめ

 松本氏は権力者で、マスメディアへの露出もあり、影響力が大きい。彼の文章からは、患者を人間ではなく物のように扱っている節を感じます。2面性が感じられ、それによって状況をコントロールしているのではないかと推測します。

 権力者に振り回されないようにするには、近づかないか、力を身につけることです。薬害に遭わない為には、医師よりも賢くなればよい。そして、甘い話に乗らないことです。

 騙されない為には、騙す方法を知ることです。特殊詐欺の手口からも学んでください。脅威から身を守るには、脅威を知ることです。

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